日本著名电视剧追捕的日文原文

君よ、憤ふん怒ど

の川を渡れ

恵子 「強盗犯人よ!みつけたのよ、早く来て!こっち…」「あの男、あの男が犯人よ、早く捕えて!」 警官 ちょっと君、交番に来てもらいましょうか。 杜丘 間違いじゃないですか。あなた、人違いしているよ。

恵子 人違いだって?!あんた、あたしが銀行から下ろしといた二十万と、ダイヤの指輪と、それから…それから…あたしの体、おもちゃにしたじゃないの!けだもの!人違いなんて、よく言えたわね! 警官 住所化名は?

杜丘 ここでは話したくない。 警官 何?

杜丘 署に行って話す。本庁の矢村警部を呼んでくれ。

矢村 あなた、十月三日の午前二時頃、何してました? 杜丘 俺を信じないのか?

矢村 俺は、誰も信じない。何してました?

杜丘 十月三日の午前二時頃は、俺は家でねていたな。 矢村 なるほど。証人はいますかね。

杜丘 いや、おらん。俺は一人で住んでるし、電話もなかったな。 矢村 そうですか。つまり、アリバイはないわけですね。 小川 なんですか…… 中塚 立つんだ。

小川 おい、ちょっと、ちょっと。被害届を出された寺田俊明さんですね?十月三日の午前一時頃、自分のアパートに帰って来るとあなたの部屋からカメラその他を持ち出し、逃げようとしている男と顔を合わせた…そうですね? 寺田 そ、その通りです。

小川 その時、あなたが見たと言う窃盗犯人なんですがね、この中にいますか。 寺田 こ、この男です。間違いありません。確かにこの男です。 小川 じゃ、ご苦労さんでした。どうも。 …… ……

小川 警部、この男の素性を明かしてもらいましょうか。 …… ……

矢村 ひと晩、泊めといてくれ。

小川 チェッ。本庁の警部どのって面しやがって。おい、貴様何者だ。

…… ……

恵子 この男よ!

寺田 この男です。

杜丘の声 二人共、俺を誰と間違えたんだ?俺とそっくりの男?そんな馬鹿な!2人の人間が間違える程似てる男なんか。じゃ、どうしてだ?何故だ?

伊藤 大変なことやってくれたな。杜丘君、検案庁始まって以来の不祥事だ。君は現職の検事なんだそ!

杜丘 検事正、私は何もやっておりません。

伊藤 だとしても、現職の検事が強盗強姦の容疑者として逮捕されたと言うだけでマスコミが大騒ぎをするのは決まっている。

杜丘 私は無実です。

伊藤 君が無実だとすれば、一刻も早く、その事を証明じなければならない……君のデスクとロッカーは調ぺさせてもらったよ。

杜丘 何か出ましたか?

伊藤 いや、これから、君の家に家宅捜査に行く君も一緒に行くんだ。

杜丘 私の無実を証明するためにですね。

伊藤 君に不審の点がなければ、そこで始めて、新宿署に君の身分を明かし、例の水沢と寺田の裏付調査をする。会議でそういう結論になったんだ……。早く、靴をはきたまえ。‥‥?

伊藤 キャノンEF……ボディナンバーは……

矢村 ―一0九二六。

伊藤 間違いない。寺田が盗まれた物だ。

杜丘 これは俺のものじゃないよ。きのう出かける時までこんな物はなかった!

矢村 細江!

細江 はい。

矢村 隣の部屋。

杜丘 検事正、これは誰かの、誰かの罠です。私は何もやっておりません。信じてください。

矢村の声 検事正!

伊藤 ブラチナ台一文字0?05カラット五ご。間違いなく水沢恵子の物だ。

細江の声 警部、ありました!

矢村 検事正、紙幣ナンバー?

杜丘の声 罠だ……完壁な罠だ。

伊藤 杜丘君……なせだ?なせ君は……こんな馬鹿げた真似をしでかしてくれたんだ!?

杜丘 検事正……

伊藤 聞きたくない。これ以上、君の言うことはを信じるわけにはいかん、事実を法務省に報告する。…‥早急に君の処分を考えなきゃならんからな。

杜丘 おっ。

矢村 どうした?

杜丘 吐き気がするんだ。トイレに行かせてくれ。

細江 刃物はこれだけです。

杜丘 俺は自殺などしないよ。

矢村 ドア開けとけ。杜丘、あけろ!

細江 検事、開けてください。

矢村 杜丘!杜丘ッあけろ!

伊藤 え、杜丘冬人の容疑事実はその、まだ確定はしておりませんが、しかし、杜丘の行動はその、刑法第99条の逃走罪に該当する。したがいまして、協議の結果、杜丘冬人はとりあえず東京地検検察官の職を…

杜丘 管理人さんですか。

古谷 どなたですか。

杜丘 私はこのアパートに強盗に入ったと言われている杜丘と言う者です。

古谷 入りなさい。

古谷 水沢恵子なら、今朝、出て行ったよ。

杜丘 引越したんですか。

古谷 それよりあんた。三十分おきに警官がここへ…あんた、ここがええ。…はい。

警官 やあ、度度どうも。

古谷 いや。

警官 異常はありませんか。

古谷 いや、別に。

警官の声 水沢恵子から何か連絡でもなかったですか。

古谷の声 いや、ないですなあ。

警官の声 そうですか。じゃ、どうも…

古谷 いや、ご苦労さん。

古谷 ハハハ、これでわしも共犯かな。

杜丘 ご迷惑かけました。

古谷 いやいや、水沢恵子より、あんたの方が信用できそうな気がしてな。

杜丘 何か彼女におかしな点でもあったんですか。

古谷 あの女は、十月一日にここに越して来た。

杜丘 今年の十月一日ですか。

古谷 ああ、夫婦喧嘩をして、別居したいから借してくれちうことやった。

杜丘 そうですと、彼女は十月一日に越して来て、三日に強盗に入られ、十日に犯人を見つけて、その翌日に出ていった。そういうことですね?

古谷 実は…水沢恵子に迷惑をかけてはと思って警察にも新聞にも黙ってたん。

杜丘 何ですか。

古谷 部屋を出る時、小荷物を持ってた。その宛先が能登半島にある能登金鋼の生神ちゅうだった。

杜丘 能登金鋼の生神ですか。

杜丘 ごめんください。ごめんください。

杜丘 この人です。水沢恵子さんでしょう。

主人 この花嫁なら、手塚の民雄さとこの娘じゃないや、加代ちゃんいうてね。

杜丘 加代…?水沢恵子さんって言うんじゃないんですか。

主人 いやあ、五年ほど前に嫁に行ったさけ…何ちゅうにかなあ、婿さんは。東京でタクシーの運転手してるちゅうだっけが。

杜丘 それで、その加代さんという人は、今、東京でしょうか。

主人 昨日、そこのバス停で会ったさけ、帰って来てるんじゃなかろうか。

杜丘 その手塚さんの家はどこでしょうか。

杜丘 ごめん下さい。ごめん下さい。…

恵子 この男よ

寺田 この男です。

細江 主任、石川県警から横路加代の亭主の写真、電送してきました。ちょっと、見てください。

矢村 何だ!こりゃあ…寺田俊明じゃないか。これは…

細江 そうなんですよ。新宿署で逢った男です。

伊藤 どう言うことなんだ。夫婦で偽名を使って、杜丘を告訴するなんて。

矢村 この男の居所は?!

細江 はあ、加代の実家の話では、北海道のこの男の郷里に帰ってるらしいです。ええ、様似郡の小海辺ってところです。

杜丘 すみません。横路さんのお宅はご存知ですか。

男 あ、あれがそうです。

杜丘 すみません、あの…

男 杜丘なんだ。

刑事達 杜丘!待て!杜丘!

刑事達 杜丘!待てッ!おい、待てッ!杜丘、止まれ!杜丘!止まらんと打つぞ!

矢村 杜丘は逃げた。道警の非常線を突破して、日光山脈に逃げ込んだらしい。今、山狩の最中だ。それから、参考人の横路、こいつは一先足に行方をくらましてる。なお、十月三日杜丘が新宿でやったという窃盗及び強盗強姦なんだが、これは寺田俊明、水沢恵子が横路敬二、加代の夫婦の偽名だったということからして、多分、この二つの犯行はガセだと思う。つまり、杜丘は2人にはめられたわけだ。しかし、横路加代殺しに関しては、いくつかの状況証拠から言って、杜丘の犯行に間違いない!以後杜丘は殺人容疑に切り替える。さて、問題は何故、横路夫婦が杜丘をはめこんだか。…細江君!

細江 はい。

矢村 ちょっと、横路の経歴をしゃべってみて!

細江 はい。ええ、横路敬二と加代は、昭和四十五年六月結婚。ええ、事件直前まで大井町のアパートに住んでいました。横路はタクシーの運転手ですが、四年ほど前に、妙な商売を…モルモットや兎や二十日鼠、それに昆虫なんか飼っていたんです。

伊藤 そんなもん、どうするんだ。

細江 解剖や薬の実験に使うんで、大学の実験室や病院、それから、製薬会社の研究室が得意先だそうです…

矢村 杜丘との関係は?!

細江 それは別にありません。…杜丘と横路との関係はいくら洗っても出てこないんですかね。

矢村 よし、分った!これから、俺は北海道に飛ぶから君たちは杜丘と横路のつながりを徹底的に洗ってくれ!それから横路は多分、東京に潜入するかも知れない。見付次第直ちに押えろ。鍵がこの野郎だ!

男1 逃げられたか。…畜生!

男2 サツの山狩りに見つかるとうるさいからな、ひとまずあきらめよう…

杜丘の声 俺を罠にかけただけじゃなくて、命まで狙ってる。…誰なんだ?何故、俺を狙うんだ?俺を…俺の社会的生命を奪うために、罠にかけたとしたら、あの事件しかない。

杜丘 地検の杜丘だ。

矢村 代議士先生の事件となると検事までお出ましだ。

杜丘 まあ、ご苦労さんです。

細川 ご苦労さんです。

杜丘 どんな具合だ?

矢村 自殺ですよ。全然事件になりません。七階のレストランから飛び降りたんです。目撃者も大勢います。

長岡 朝倉代議士が相談があるって、電話がかかってきましてね…

杜丘 相談というのは、どういうことだったんですか。お差支えなければお伺いしたいんですが。

長岡 それが、相談も何も、お話を聞かぬうちにいきなりパッと立ち上って、わめいて走り出しましてね。まったく驚きましたよ。

杜丘 確かに状況だけ見れば、朝倉は自殺でしょうが、彼に自殺する理由がないんです。動機がないんです。

矢村 じゃ、同席していた長岡が催眠術でも使って朝倉を飛び降りさせたちうわけですか。

杜丘 長岡了介は政界の黒幕だ。…何か、朝倉の決定的な秘密を握って脅迫したとすると…

伊藤 長岡さんが朝倉代議士を脅迫したと言う証拠でもあるのかね。

杜丘 私の想像です。

伊藤 警視庁は自殺と言う線で事件を処理してしまった。単なる君の想像だけで、捜査を再開するわけにはいかんということぐらい、君にも分かるだろう…

杜丘 俺は、一人で捜査を始めた。あの日曜日は、朝倉の妾がやっていた新宿の小料理屋に聞き込みに行ったんだ。あの日、俺が新宿に居ることを知ってたのは、あの小料理屋に関係のある奴だ。そいつが横路加代に…

恵子 この男よ!

横路 この男です!

杜丘の声 横路敬二だ。あいつこそ、真相を知ってるんだ。あいつを捕らえなきゃ…

女の声 助けて!誰か!助けて!誰か!助けて!…助け…

真由美 お帰りなさい。

遠波 命の恩人の具合はどうかな?

真由美 今朝、気が付いたんだけど、食事したら、又眠ってるわ。安岡先生に見ていただいたけど、すごく疲労してるんですって。

遠波 そうか…しかし、あんな山の中で、何してたんだろう。

真由美 道に迷ったって言ってたわ。だけどそのおかげで、わたし、命拾いしたのよ。

遠波 そう言えばそうだな。目が覚えたら、私が礼を言いたいと伝えてくれ。

真由美の声 お父様、いいかしら。

遠波 どうぞ。

真由美 どうぞ。

遠波 やあ、こりゃどうも…娘が大変なところを助けていただいたそうで、何とお礼を申し上げたらいいか…

杜丘 いいえ、お礼を言わなきゃならないのは私の方です。かえって、いろいろご迷惑をおかけしたようで。

遠波 いや、いや、いや。

真由美 どうぞ、おかけになって。

遠波 さあ、どうぞ、おかけ下さい。

杜丘 失礼します。

真由美 お父様のジャンパー…少し古いけど着ていただいたの。

杜丘 すみません。

遠波 いや、いや、いや、よくお似合いだ。真由美、お名前は伺ったのか。

真由美 あッ、忘れてたわ。

杜丘 …前田と申します。

遠波 真由美、前田さんと一杯飲むから、何か見っくらって来てくれないか。

真由美 はい!ではお父様ご自慢のチーズでも持って参りましょう。

遠波 おのみになるんでしょう。ブランデーがよろしいかな。

杜丘 頂戴します。

遠波 杜丘さん、自首するつもりはないですか。

杜丘 …

遠波 私は次の道知事選に立候補するため、あちこち飛び回っている。明日もまた、札幌に行きます。ご一緒にいかがです?

杜丘 事情があって、今自首するわけには参りません。

遠波 真由美は私が四十歳になってから出来た一人娘でね、…母親は、あの子を生むと死んでしまった。だから、月並みな言い方だが、私は、真由美を眼の中に入れても痛くない。…その娘が、あんたに関心を持っている…

杜丘 ご迷惑はおかけしません。

遠波 追い出すようで、済まん…

遠波 なに?

中山 社長、お電話です。

遠波 ちょっと、失礼。

遠波 何で、そんな余計なことしたの?

中山 しかし、道知事選の事を考えますと…

杜丘の声 警察に通報したのか。

真由美 杜丘さん!早く乗って!

杜丘 …?!

真由美 誰かが密告したの!機動隊が三百人。街道は全部封鎖されてる。早く、早く乗って!

杜丘 どうして、俺を助けるんだ?!なぜだ!なぜなんだ?!

真由美 あなたが好きだから!

捜査課長 遠波さんが秘書に電話させている間に、窓から逃げたようです。…牧場内はくまなく捜索中ですが、まだ何の手掛りも…また、山に逃げ込んだとなると厄介ですな。二百や三百で山狩りしたところで発見は不可能です。

矢村 あんたも大した狸だな、遠波さん。

遠波 君は…?

矢村 ええ?本庁の矢村というもんだよ。…あんたね、警察に協力するとかなんとか言いながら、初めから杜丘を逃がすつもりだったんじゃないか。そうだろう?!

中山 失礼な。…社長は次期道知事選に立候補されるんですよ。まさか、そんなことを…

矢村 黙ってる!お前さんは。

中山 何だって…?!

遠波 中山君…

矢村 だって、ここはあれだろう、従業員は五十人以上いるんだから、ねえ!杜丘を突き出すぐらい、訳ないんだ。なんでそれをしない?!

遠波 …

矢村 昨日から、杜丘はここにいたんだろう。ちゃんとあっているんだからだめだよ。とぼけたって。

矢村 何とか言ったらどうだ!逮捕してもいいんだよ、この場で!

犯人隠匿の現行犯なんだから、あんた。

真由美 見当違いよ!

真由美 父は何も知らないわ。逮捕するなら、この私をどうぞ!

中山 お嬢さん!

真由美 警察にしらせるつもりなんか、初めからなかったわ。だって、あの人は命の恩人なんですもの。

矢村 何ですか。命の恩人ってのは…教えてくださいよ。杜丘はどこにいるんだ?

真由美 知らないわ!

矢村 知らないってことはないだろう!

真由美 かりに知ってたとしても絶対に言わないわ。逮捕するおつもりなら、早くなさったらどう?!

遠波 真由美!

矢村 ふん!大したじゃじゃ馬だ。調教の失敗だなあ、ありゃ。全員引き上げ!

課長 はッ!

矢村 時間の無駄だ。

真由美 杜丘さん!

真由美 警察が引き上げたから食糧を持って来たわ。

杜丘 すみません。

真由美 警視庁から、警部が来ていたわ。気取ったサングラスをかけた目つきの悪い厭な感じの人。

杜丘 矢村だな。

真由美 矢村?

杜丘 真由美さん、ここを出なきゃだめだよ。

真由美 どうして?

杜丘 あいつが黙って引き上げるわけないよ!

真由美 …

杜丘 あんた、つけられてるんだ。出よう!

矢村 横路加代殺害容疑だ。逮捕する!

真由美 違うわ!この人は…

杜丘 余計なことを言うな!この人は関係ないんだ。見逃してやってくれ!

矢村 よし分かった!その代りジタバタするなよ!貴様が動くといろんな人が迷惑するんだ。 杜丘 …

矢村 あんたも来てもらおうか。

矢村 どうした?

杜丘 熊だ。

真由美 杜丘さん!杜丘さん! 大丈夫!?

杜丘 大丈夫だ。

真由美 待って!

真由美 どうしたの?

杜丘 矢村!しっかりしろ!

真由美 まっすぐよ。

杜丘 真由美さん!押えつけて!

真由美 ええ。

矢村 あっ!

杜丘 しっかり押えてろ!

真由美 ああっ。

杜丘 矢村、助かりたかったら辛抱しろ!

杜丘 真由美さん、何か縛るものを!真由美さん!何か縛るもの!

矢村 杜丘!何で俺を助けたんだよ?えっ?助けられたからって、手はゆるめねえからな。 杜丘 矢村!横路はどこだ。居処を教えろ!

矢村 そりゃ俺の拳銃だろう?返しゃ教えてやるよ!

杜丘 返事が先だ。どこにいるんだ?答えなければ打つ!

矢村 よし!奴は俺たちが押える前に、函館から東京へ飛んだよ。ウソじゃねえ。さあ!返してくれよ!

矢村 動くな!お嬢さん、この男を縛ってくんねえかな!

真由美 卑怯よ!

矢村 悪いけど早くしてくれないかな。でないと打つぞ。本当に…

真由美 恩知らず!

矢村 動くな!

杜丘 矢村!弾は抜いといたよ。

真由美 ここよ、ここにほら穴があるの。

真由美 ライターを借して。

杜丘 いろいろありがとう、真由美さん。そんなことは自分でやるから。あなた、早く牧場に帰った方がいい。 真由美 途中で夜になるわ。わたしを熊に食べさせる気?

真由美 これからどうするの?私にも秘密?

杜丘 東京へ行く。無実を証明するためには、どうしても横路と言う男に会わなきゃならない。

真由美 私も行く。

杜丘 お父さん心配しているよ。早く帰るんだ。

真由美 父はあなたを裏切ったのよ。

杜丘 俺は警察に追われている人間だぞ!

真由美 あたしも共犯者よ!

杜丘 …!

真由美 あなたしかないの!

中山 お嬢さん!

遠波 真由美!ゆうべおそく矢村警部が戻って来た。お前があの杜丘と一緒に逃げたと言ってな。

真由美 …

遠波 私はゆうべ、一晩中眠れなかった。

遠波 答えろ!真由美…私はお前の父親だ!

真由美 違うわ!

遠波 …

真由美 娘の命の恩人を警察に売るような人は、私の父親ではありません。

遠波 真由美…

真由美 卑怯よ!お父様は…中山が警察に電話するのを黙認したんでしょう。

真由美 私も犯罪者よ。逃亡幇助の罪を犯しました。早く警察に通報するといいわ。

中山 止めて下さい!お嬢さん!

真由美 立ち聞きしてたのね。…どいて!

中山 社長は大事な道知事選挙を控えているんです。今、お嬢さんがあんな殺人犯なんぞにかかりあっては… 遠波 真由美!

刑事達 あッ!主任!お帰りなさい!

細江 主任、大丈夫ですか。

伊藤 杜丘はどうした?

矢村 杜丘は北海道に閉じこめて来ましたよ。動き出せば、必ず綱にかかりますからね。

伊藤 そんな馬鹿な。北海道に潜伏するつもりだったらどうするんだ。

矢村 彼は必ず動き出しますから。

伊藤 なぜ!どうしてそう言えるんだ。

矢村 逃げ回るだけで満足する男じゃないでしょう。やつは、横路を追って必ず動き出しますよ!

伊藤 横路も殺すつもりだと言うのか!

真由美 あっ、よかった!

杜丘 ありがとう!地図を持って来てくれた?

真由美 ここよ!家中のものを集めて来たわ!

杜丘 シィーッ!

真由美 お父さん。

遠波 やっぱりここだったな…

真由美 何しにいらしたの?

遠波 日高山脈を越えて、帯広にでも出るつもりかね?杜丘君。

杜丘 …

遠波 無駄だよ。とっくに警察が非常線を張っている。いや、帯広だけじゃない。すべての空港と港は、刑事が張り込んでいる。君はやりかけた仕事があるんだろう?そのためには、東京に戻らなければならない?

杜丘 そうです。

遠波 一つだけ方法がある。君は飛行機の操縦ができるかね。

遠波 優秀な飛行機だ。操縦は自動車よりも簡単。航続距離は東京まで十分ある。ちょっと惜しいが、こいつを君にくれてやる。

杜丘 しかし…

遠波 ただし、君がこいつと心中する覚悟があればの話だがね…

杜丘 僕、これを操縦しろとおっしゃるんですね?

遠波 北海道を脱出するには、それ以外に方法はないだろう。

真由美 でも無茶よ。そんな…

遠波 俺が君を乗せて飛ぶのは簡単だが…

杜丘 いいえ、私がやります。

遠波 乗りたまえ。

遠波 基本は水平飛行だ。ミラーのこの線と水平線を一致させて飛べばよい。機首が下がれば、操縦桿を手前に引き、機首が上がれば、前に押す。

中山 もしもし…警察ですか。

遠波 あとは君の度胸一つだ。細心の注意が必要だが、怯えたら失敗する。怖いかね。

杜丘 なんとかなるでしょう。

遠波 それだけ落ち着いていれば大丈夫だ。

遠波 杜丘君!早く!真由美!

遠波 スロットルを全開にしろ!スロットルを戻せ、腕の力を抜け…。

杜丘 落ち着けっ、ばかやろう!

細川 はい!こちら本部。何?!杜丘がセスナを奪って逃げた?!

矢村 もしもし、矢村です、どうも!はい!はい!午前十一時三十分頃襟裳岬上空を通過…はい!現在は?はい!津軽海峡を南下中…本土へ向っている。はい!はい!分かりました。じゃ、後は連絡を取ります。はい!どうも。

伊藤 誤報じゃないのか。

矢村 何ですか、誤報ってのは。

伊藤 杜丘は飛行機の操縦なんかできない筈だ!

矢村 なるほどね!ふん!検事には惜しい男だ!

杜丘 よし!

無線の声 こちら三沢タワー。航行中のセスナJA3611聞えるか。応答せよ!JA3611、コースを指示する…応答せよ!

無線の声 杜丘!危ない!前方に恐山だ…

無線の声 こちら三沢タワー。違法な航行を止めて、直ちに着陸せよ!JA3611、直ちに着陸せよ!応答しなければ緊急の処置を取る。緊急の処置を取る。聞こえるか。JA3611。

ジェット機の無線の声 JA3611…着陸地点を指示する。こちら自衛隊…応答せよ…JA3611。

ジェット機の無線の声 …応答しろ!杜丘っ…無駄な抵抗はやめて、おとなしく指示に従え!…おい、聞こえんのか。杜丘っ…やめて、やめて。杜丘っ…海に突っ込むぞ!危い!おい!やめよ、杜丘っ…

伊藤 あ、レーダーから消えた?よし!分かった。三沢の自衛隊が強制着陸を命令した。それを拒否して、海面すれすれまで降りた。…超低空だとレーダーにも映らないんだそうだ。

アナウンサー 横路加代さんの殺害容疑で指名手配中の元東京地方検察庁刑事部検査官杜丘冬人三十六歳は、北海道でセスナ機を奪いましたが、今夕、茨城県鹿島難夏海附近の海面に奇跡的に不時着し、上陸したものと思われます。この夏海海岸には杜丘のものと思われる遺留品が数多く残されており、茨城県警察本部の発表に依りますと、北茨城、那珂奏の両市が最後に、このセスナを目撃してから、遺留品発見まで一時間ほどしか経っておらず、杜丘は(真由美の声 はい)現在その附近に潜伏中か…

真由美 まだおきていらしたの?

遠波 杜丘君は、無事着水したらしいな…

真由美 …

遠波 どうだ?よく眠れるぞ。

遠波 道知事選はおりたよ。

真由美 ?!…

遠波 おりてみたら、何でもあんたものに夢中になったか、自分が馬鹿らしくなってな。はっはっはっ。…と言っても後始末が忙しくてね。私の代わりに東京へ行ってもらえるんかな。

真由美 東京?

遠波 三歳馬を七頭、正岡厩舎に届けてほしいんだ。馬はトレーラー運ぶから、お前は飛行機で行けばいい。ホテルはいつもの所に部屋を取ってある…いいね!

真由美 はい。

伊藤 実は、都内の所轄署に内示した。杜丘は武器を持っている恐れがあるから、発見次第発砲してよろしいとな… 矢村 それはつまり杜丘を射殺しても構わないと言うことですか。

伊藤 …

矢村 それは会議の結論ですか。警察庁、警視庁のお偉ら方の…

伊藤 谷村君!これを見たまえ!逃亡検事、劇的な北海道脱出…逃亡検事、捜査陣を翻弄…これ以上、われわれの目の前で奴に横路を殺されたりしたら、一体どうなると思うんだ?検察庁の威信に取り返しのつかない傷がつくんだ。それだけの問題じゃない。法と秩序に対する国民の信頼を失ったら、世の中はどうなる?これは、われわれの社会全体の問題なんだぞ!

矢村 みせしめのためには、杜丘を射殺するんだと、こういうことでしょう。はっきり言ったらどうですかね。

細江 主任!

伊藤 杜丘がつかまったのか。

細江 いいえ、朝倉代議士の件です。

矢村 何かつかんだか。

細江 自殺する前の日に、東南製薬から大口の政治献金を受け取っています。

矢村 東南製薬?

細江 はい。そして、横路がモルモットを卸しれていた得意先が東南製薬…

受付 …そう言えばこの人、確かに…三日前だったかしら…

矢村 その時は誰を訪ねて来ました?

受付 酒井専務…だったと思うんですけど…

細江 酒井専務…?

受付 はい!

酒井 専務の酒井です。

矢村 どうも、捜査一課の矢村です。

酒井 さ、どうぞ。

矢村 失礼します。

酒井 しかし、一課の方がなぜ…

矢村 ちょっと、お聞きしたいことがありましてね…貴方と横路敬二の関係なんです。

酒井 横路と私の?

矢村 ええ、横路はここへ訪ねて来ましたね。なんであんた、警察に知らせなかったんですか。

酒井 横路と私は何しろ古い付き合いでしてね。商売の関係で、以前、この会社に出入りしていた頃には、まあ、いろいろ面倒を見てやったこともありますし…

酒井 まあ、どういう事情があるか知らないが、これ以上、世間を騒がすのはよくない。すぐに警察に出頭するようにと、まあ、すすめてはおいたんですが…

矢村 話はそれだけでしたか。

酒井 金を貸してくれとせがまれましてね、…五万円ほど貸してやりました。いや、もちろん、私のポケットマネーからなんですが…

矢村 行く先については何か言ってないですか。

酒井 さあ、知りません。とにかく、私はすぐに警察に出頭しろと何度も言ったんですが…

矢村 はい、分かりました。どうも、いろいろありがとうございました。

酒井 そうですか。そりゃ、どうも。わざわざ。

細江 ええ、運転日報も調べてみましたが、間違いありません。十日前に横路を東南製薬ビルの表で、はあ、降ろしたのは多摩ニュータウンにある飯場…土建会社の作業員宿舎だったそうです…

男 ああ、こいつならもういないよ。

男 十日程前紹介も無しにふらっと舞い込んで来やがってね。偽名を使ってることくらい。俺にも分かったんだが…まあ、そんなことはよくあることで。

矢村 じゃ、あの…その男、ここからどこへ行ったんです?

男 これだよ。気違い病院さ。

細江 気違い?精神病院…?!

矢村 これはいるでしょう?お宅の病棟に…

堂塔 ええ、三日前に強制入院させた鈴木武という患者です…

細江 鈴木武?

堂塔 ちょっと失礼。私だ。鈴木武のカルテを持って来てくれ。かなり狂暴性がありましてね。私たちも手こずってるんですが、この患者は入院前に何か傷害事件でも…?

堂塔 はい!ありがとう。どうぞ。

矢村 はい。

堂塔 典型的なパラノイア、精神分裂病ですが、被害妄想の傾向が特に強烈です。危険ですな。当分入院させておかないと…

矢村 狂言じゃないですか。そりゃ。

堂塔 虚言症…つまり病的に嘘つきの傾向はこの患者にはありません。脳波テストもやりましたし、誤診はまずありえないと思います。

矢村 面会できませんかね。

堂塔 それはちょっと…脳波テストを繰返して、鎮静剤を与えている最中ですから、患者を刺激するのはどうも…。 矢村 五分間だけでいいんですけどね。

堂塔 ご希望にはそいたいんですが、医師には患者を守る義務がありますから。

細江 クソーッ、このまま引き上げるんですか。

島田 主任!

島田 今、情報が入りました!杜丘が新宿に現れたそうです。

矢村 杜丘…?!

島田 はい!一一〇番に通報があって、非常線を張ったんですが、まだ捕まらんそうです。

伊藤 杜丘は安全に包囲された。今度こそへりで逃げ出すような真似は出来んだろう。

真由美 では、こちらお願いします。

正岡 いや、確かに、あッ、契約書の取り返しも済んだことだし、どうです?お嬢さん…お祝いにそこのバーで一杯や

りましょうや。

真由美 でも、私今日はちょっと。

ボーイ 失礼します。遠波真由美様でございますね?お電話が入っております。こちらでございます。どうぞ。

真由美 もしもし、遠波です。

杜丘 おれだ。お父さんから、十日ほどししたら、君が東京へ来るからって電話番号教わったんだ。

真由美 そうだったの。今どこにいるの?

杜丘 今新宿だ。いや、とってもそこまで行けない。…予想外に警戒が厳重でね!あと三十分ももたない。

真由美 そうなの!あきらめてはだめよ。私がなんとかします。三十分後に西口駅前に来て。いいわね、もしもし、西口の駅前よ!

小川 杜丘だ!

刑事達 杜丘、待て、待て、杜丘、どけ!杜丘!待たんか!

小川 待て!杜丘!止まれ!

安原 止まらんと打つぞ!

小川達 どけ!どけ!

群衆の中の声 暴動だ。

安原の声 馬です!馬が暴走してきました。

署長 馬?馬がどうした。

小川 杜丘は馬に乗って、逃走、逃走中です!

小川の声 杜丘が…杜丘が馬に乗って、逃走中…現場は混乱しています。

署長 しっかりしろ。絶対逃すな。逃すんじゃないぞ!

真由美 突破するわよ…!

真由美の声 どなたですか。

矢村 警察だ。

真由美 何のご用でしょうか。

矢村 杜丘はどこだ?

真由美 誰もいないわ!失礼よ、こんな時間に。人を呼ぶわよ。

矢村 ああ、どうぞ、呼んでいらしゃい。その間にふろばを見せてもらうから。

矢村 遠波牧場の馬なんか使ったらバレるに決まってるじゃないか。あとは軒並みホテルをあたって見ただけだ。

杜丘 こりゃ、捜査メモのコピーじゃないか。

矢村 横路の居場所が分かったからね。

杜丘 緑ヶ丘病院の精神病科か。

矢村 ああ、行って見たけど会わせねなんだ。大東建設の飯場に逃げ込んだところを、発狂したとか言う理由でもって強制入院させたらしいだな。

杜丘 発狂?

矢村 その大東建設と言うのが長岡了介の息がかかってるんだ。

杜丘 長岡了介?!あの長岡か。

矢村 うん、例の黒幕だ。病院は国立の駅前で、聞きゃ分るから。

伊藤 何をしたんだ?

矢村 厄払いに一杯やっていたんですよ。ああ、杜丘が逃したのは残念だったけど、まあ、過ぎたことだ。検事正も早く帰っておやすみになったらどうですか。

伊藤 たった今、新宿署の刑事が例の遠波の娘が泊まっていたホテルへ踏み込んだ。

矢村 ほう…。

伊藤 一足違いに姿を消した。杜丘らしい男といっしょにな。そればかりじゃない。

矢村 …

伊藤 姿を消す直前まで、君が娘の部屋にいたと言うホテル側の証言がある。そこで君は杜丘と接触したんじゃないのか。どうなんだ?矢村君?

矢村 馬鹿馬鹿しい。

伊藤 正直に事実を言いたまえ!

矢村 …

伊藤 あくまで否定するというのかね。

矢村 もちろん…

伊藤 やむを得ん、私としては、本庁に君の調査を申請する。

矢村 …

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